「ゆみちゃあん、ゆみちゃあん」


 ゆみちゃんちの前で父の声がしました。ゆみちゃんがドアをあけると、父がいました。


「どした?」


「なんかねーおなかがかゆいの」


「とりあえず家に入って。寒いから」


 父を家にいれます。


「どうしのかなあ」


 ゆみちゃんが父の様子を見ます。


「どこがかゆいの」


「はらまきしているとこ」


「ちょっと外してみ」


 父が腹巻を外すと、白いおなかの一部が赤くなってました。


「・・・? りょーう」


 ゆみちゃんがりょうへいさんを呼びます。


「なに?」


「父が・・・」


 りょうへいさんが父を見て、言います。


「これ、あせもじゃね?」


「ああ。毛糸があわなかったのかなあ」


 ゆみちゃんは納得しました。


「ニベアでもぬっとくかあ」


 ゆみちゃんが薬箱の中から薬を取り出し、父のおなかに塗ってあげました。


「もう腹巻はしちゃだめだね」


「だめなの・・・」


 父はしょんぼりしながら帰っていきました。


 父の後ろ姿を見て、ゆみちゃんは


「ちょっと出かけてくる」


と言いました。


 


 次の日


「父―」


 ゆみちゃんとりょうへいさんがザコペンギン達の家にやってきました。


「ゆみちゃんとりょうへいさんだー」


 ザコペンギン達がわらわら出てきます。


「ゆみちゃん、なあに?」


 父が言います。


 ゆみちゃんはぼす、となにかを父に被せました。


「なにこれ、あったかーい」


 それはフリースで作った腹巻でした。


「これなら大丈夫かなーと思って」


「わーい。わーい」


 父はぴょんぴょんと喜びました。


「フリースはいいけどさあ」


 りょうへいさんは言います。


「父にハート柄はどうかと思うぞ」