暑い夏が通り過ぎ、秋の気配がそっと近づいてきています。

「ざーこ」

 ゆみちゃん達が散歩していると、ザコペンギン達はくるくると回ってました。

「あーゆみちゃん達だー」

「最近涼しくなってきたから、気持ちいいだろう」

「うん。くらくらしない」

「秋だからなあ」

「あき?」

 ザコペンギン達はきょとんとしています。

「あきってなに?」

「今まで暑かったでしょ?それが夏。アイス食べたでしょ?今から涼しくなったら秋になって、もっと寒くなったら冬になるの」

「ふーん」

 イマイチ理解してないようでした。

「ゆみ、ちょっとコンビニいってきていい?」

「いいよー、ここいる」

 数分後、りょうへいさんが袋を持って帰ってきました。

「ほら、これが『秋』だ」

 中には焼き芋が入ってました。

「これなあに?」

「焼き芋っていうんだ。芋を焼くんだよ」

「いもってなあに?」

「あ・・・南極育ちか。芋知らんわな」

「おいしいからいいんじゃない?」

 ゆみちゃんが半分に割って、それぞれに渡してあげます。

「あつっあつっ」

 ザコペンギン達は慌てながら、器用にくちばしをつかって食べ始めます。

「あふっあふっ」

「どう?」

「あつくてわかんない」

「ちょっと冷まそうか。ふーふーしてみ」

 ザコペンギン達は一生懸命ふーふーしました。

「もう大丈夫かな?食べてみ」

 ザコペンギン達は今度はおそるおそる食べ始めました。

「あまーい、おいしい」

「おいしい」

 ザコペンギン達が勢いよく食べ始めました。

「これが『あき』かあ」

「あき、おいしいねえ」

 その様子を見ながら、りょうへいさんがふと気づいたように言います。

「あれ?あいつら去年も秋、体験してねえか?」

「それは、ザコだから」

 ザコペンギン達はぺろりと食べました。