ザコペンギン達家族は公園で日向ぼっこをしていました。
花が咲き、暖かい日差しに体を撫でるくらいの風が心地よいです。
しかし、いつも難問が控えています。
弟ペンギンはベンチに登れないのです。だから、みんなでうんしょ、うんしょ、となんとかして引っ張り上げます。
「そろそろご飯だねえ」
「そだねえ」
また難問が生じます。弟ザコペンギンは、ベンチから降りられないのです。
ゆみちゃん達が散歩している時は助けてくれるのですが、今日は通りかかりません。
「よしっ」
ザコ悪ペンギンが意を決します。ベンチの前に前のめりになります。
「弟、俺を踏んで、下に降りろっ」
「え・・・でもおにいしゃん、痛いよ?」
「お前くらい軽かったら、大丈夫だ。さあ、こい」
弟はひょいっと勢いよく飛びました。
ぼんっ
「ぎゃっ」
あまりにも勢いよく飛んできたので、ザコ悪は前のめりに倒れこみました。弟は見事に着地しました。
「これたのしー、たのしー。もう一回」
「だあめよ」
母ペンギンが優しく言います。
「お兄ちゃん、嫌がるから、一日一回よ」
「えっ」
ザコ悪に動揺が走ります。一日一回これをせねばならんのかと・・・・。
それ以来。
ゆみちゃん達がカリンを散歩させていました。
「あ、ザコ達が日向ぼっこしてる」
「おにいしゃん、いくよー」
「お・・・おお、どんとこいっ」
ぼよん。
どて、とザコ悪が前のめりにこけます。
「なに?新しい遊び?」