ザコペンギンのblog

あなたのすぐそばにザコペンギンはいます(鳥類ではありません) そんなザコペンギンの日常を描きます。よければ暇つぶしにでも。そして発見情報をお待ちしております。 あと、私は精神病患者です。小説と同じくらいまたはそれ以上に病状、薬のことなど忘備録の意味を込めて書いています。双極性Ⅱ型(いわゆる躁鬱病)ですので、鬱の時の日記はお目汚しです。「精神」と書いてあるブログは閲覧注意です。

2015年04月

「ふえ~」

 ザコペンギン達家族は公園で日向ぼっこをしていました。
 
 花が咲き、暖かい日差しに体を撫でるくらいの風が心地よいです。

 しかし、いつも難問が控えています。

 弟ペンギンはベンチに登れないのです。だから、みんなでうんしょ、うんしょ、となんとかして引っ張り上げます。

「そろそろご飯だねえ」

「そだねえ」
 
 また難問が生じます。弟ザコペンギンは、ベンチから降りられないのです。

 ゆみちゃん達が散歩している時は助けてくれるのですが、今日は通りかかりません。

「よしっ」
 
 ザコ悪ペンギンが意を決します。ベンチの前に前のめりになります。

「弟、俺を踏んで、下に降りろっ」

「え・・・でもおにいしゃん、痛いよ?」

「お前くらい軽かったら、大丈夫だ。さあ、こい」

 弟はひょいっと勢いよく飛びました。

 ぼんっ

「ぎゃっ」
 
 あまりにも勢いよく飛んできたので、ザコ悪は前のめりに倒れこみました。弟は見事に着地しました。

「これたのしー、たのしー。もう一回」

「だあめよ」

 母ペンギンが優しく言います。

「お兄ちゃん、嫌がるから、一日一回よ」

「えっ」

 ザコ悪に動揺が走ります。一日一回これをせねばならんのかと・・・・。


 それ以来。

 ゆみちゃん達がカリンを散歩させていました。

「あ、ザコ達が日向ぼっこしてる」

「おにいしゃん、いくよー」

「お・・・おお、どんとこいっ」

 ぼよん。

 どて、とザコ悪が前のめりにこけます。

「なに?新しい遊び?」

春、絵衣理は3年生に、棗は2年生になった。


「桜がきれいだねえ」


 てくてくと歩きながら2人で帰っていて、絵衣理が言った。


「そういえば、桜のお酒・・・」


 ふと、絵衣理が思い出した。


「絵衣理」


「ん?」


「今週の土日、暇?」


「うん、空いてるよ」


 棗が笑う。


「なら、泊まりにきてよ」


「へ?」


「母さん、その日いないんだ」


 

 

(・・・ううむ・・・)


 絵衣理は悩んでいた。


(お泊りってことは、当然・・・だよね)


 棗とそういうことをするようになって、4か月ほどたつ。しかし、まだ慣れない。


(・・・ナツ君、慣れてるよね・・・。もててたのかな)


 絵衣理はかあっと赤くなる。


「何赤くなってんの?」


 綾女が絵衣理に聞く。


「・・・何でもないっ」


「どうせ、高瀬がらみでしょ」


「・・・なんで言い切るかな?」


「だってそうでしょ」


 綾女が当たり前のように言う。絵衣理は何も言えなくなった。


「あ、あんた知ってる?噂」


「噂?」


「あー・・・」


 綾女はまずったなあ、という顔をした。


「何でもない。忘れて」


「なになになにー。私噂に疎いんだよー」


「何でもないっ」


 

 

 そして土曜日。


 夕方ころ、絵衣理は棗の家にお邪魔した。


「お邪魔しますー」


「はい、入って」


 棗はにこりと笑って、絵衣理を中に入れた。


「・・・なんかいい匂い」


 絵衣理がくんくんと鼻をならす。


「あ、夕飯作ったから」


「本当?すごい」


「簡単なのだけど」


「いえいえいえ」


 

 

「ごちそうさまでしたっ」


 絵衣理はぱん、と手を合わせた。


 ロールキャベツ、ビーフシチュー、バゲット、アボカドと小エビのサラダと豪華だった。


「私、アボカド初めて食べたー。おいしいね」


「店のおすすめ商品です」


 棗が片づけ始める。


「あ、いいよ。ナツ君」


 絵衣理が慌てる。


「片づけくらい、させて」


「でもお客さんだし・・・」


「いいよいいよ」


 絵衣理は進んで片づけをし始めた。


 

 

 それから棗の部屋で、一緒にテレビを見た。


「俺、この時間帯のテレビ見るの、久しぶりだわ」


「ああ、そうだねー」


 棗が時計を見る。


「そろそろ風呂入るか」


「あ、先入っていいよ」


 棗がじいっと絵衣理を見る。


「?なに?」


 ずいっと棗が絵衣理に近づく。


「一緒、入らない?」


「はい?!」


 絵衣理がずさあっとひいた。


「もう恥ずかしい仲でもないわけだしさ。ね?」


「いや、あの、その・・・」


「ねー、絵衣理」


 棗が絵衣理の頬をくすぐる。とくん、と絵衣理の心臓が鳴る。


「あああの、ナツ君。心の準備が・・・」


 棗が上目づかいで見る。


「・・・だめ?」


(うわーなに、この可愛い生物はっ)


「だ・・・だめ」


 絵衣理は息も絶え絶えに言った。


「そっかあ」


 棗は残念そうに言った。


「じゃあ、夜、覚悟しといてね」


「へ?」


 ちゅっと棗が絵衣理の頬にキスをして、部屋から出ていった。


 絵衣理はキスをされた頬をおさえた。


「夜って・・・夜ってっ」


 絵衣理は一人、悶えた。


 

 

「いいお湯でしたー」


 絵衣理がお風呂から上がると、棗は雑誌を読んでいた。


「ありがとう」


「いえいえ」


 雑誌を読んでる棗の横にぺたん、と座る。


「絵衣理、そこじゃないでしょ」


「ふえ?」


「こ・こ」


 棗が自分の膝をさす。


「・・・はい」


 おずおずと絵衣理は棗の膝の上に座った。すぐに棗がぎゅっと抱きしめてきた。


「なんか、いつもだけどいい匂いするよね、絵衣理」


「ボディクリームのせいかな」


「俺、この匂い好き、安心する」


 ぎゅううっと棗が抱きしめる。


 絵衣理は棗にされることは好きだ。特にだっことキスは。でも


(ナツ君は・・・それだけではお済ではないようで・・・)


 絵衣理はそのことを考えると、少し固まる。それが伝わったのか、棗がん?という顔をする。


「何緊張してるの?」


「え、いや。別に」


「今更でしょうに・・・」


「だってぇ」


 絵衣理が情けない声を出す。


「慣れないんだもん」


「絵衣理」


 棗が間近で真剣な顔をする。


「俺とするの、いや?」


「いやじゃないよっ」


 絵衣理は慌てて言った。


「えっとね。行為自体には慣れてないけど・・・その、気持ち・・・いいです」


 棗が笑顔になる。


「可愛いなあ、絵衣理は。胸もんだる」


「え、きゃあっちょっと」


「だめえ。もう泊まりに来た時点でわかってるよね?そういうこと。っつかもうスイッチ入った。止まんねえ」


 絵衣理はぴくん、と反応する。棗が絵衣理にキスをした。


「んっんっ」


「ほら、しっかり口あけて」


 棗が舌を絡ませてくる。それを返すだけでも、絵衣理には必死だ。


 絵衣理がびくん、となる。ズボンと下着を一気に脱がされたからだ。


「んー、んー、」


 絵衣理は抵抗する。棗は優しく言う。


「大丈夫。怖いことしないから。気持ちよくさせてあげる」


 棗が絵衣理の茂みの中に手を入れた。


「あっ」


「絵衣理はどこが気持ちいいのかなあ」


 茂みから花蕾を見つけ、棗は優しく、触り始めた。


 動きに合わせて、絵衣理はぴくん、ぴくん、と動く。だんだん、棗は動く手が早くなり始めた。


「あ・・・あ・・・」


「気持ちいい?」


 棗が囁くように聞く。絵衣理は真っ赤になりながら、こくん、と小さく頷いた。


 棗は巧みに指を動かし、絵衣理はだんだん力が入らなくなってきた。棗に体を預ける。


 絵衣理は頭がぼーっとし始めた。なのに体は反応し、全身が敏感になっている。


「ほら」


 絵衣理の下半身からぴちゃ、ぴちゃ、という音が聞こえた。


「絵衣理、すっかり濡れてるよ」


「・・・そんなこと、言わなくていいから・・・」


 絵衣理は息も絶え絶えに言う。


「痛かったら、言ってね」


「?・・・あっ」


 絵衣理の体に、指が入れられた。絵衣理はびくん、となる。


 棗が指を入れて、素早く動かし始めた。


「ん・・・ん・・・」


 絵衣理の息が乱れる。顔は真っ赤になり、涙目になってぐったりと棗に体を預ける絵衣理を見て、棗は興奮した。


「あ、もうだめ」


「ん?」


 ころんと絵衣理を床に横たえた。棗も服を脱ぎ始める。


「・・・入れるよ」


「ん・・・ああっ」


 絵衣理の体はぴくぴくと動いた。


 なんだかいつもとは、違う。全身が性感帯のようだ。


「絵衣理」


 棗が背中を触る。それだけでも、敏感に感じてしまう。


「ナツ君、・・・ナツ君」


 絵衣理は言った。


「なんか・・・変・・・。体が」


「どう、変なの?」


「なんか、体中で感じるというか・・・びくびくなる」


 棗は笑って答えず、腰を動かしはじめた。


「あ、あ、あ」


 腰の動きに合わせて、絵衣理の体もびくびくと動く。


 どんどん、スピードが速くなってくる。絵衣理の感度も上がってくる。


「ナツ君、なんか変・・・体が変だよぉ」


「いいんだよ、絵衣理。体に力いれないで。自然体でいて」


 何かが、腰のあたりからこみあげてきた。棗が腰を早く振るにつれて、じわじわじわじわ・・・。


「ん・・・ああ」


 絵衣理がぎゅっと棗にしがみつく。


「気持ちいい」


 棗がぼそっとつぶやいた。更に、腰を早く動かす。


 その時、絵衣理の体に電流が走ったような感覚が通った。


「ああっ」


 絵衣理が悲鳴のような声を上げる。


「絵衣理?」


 今まで聞いた中で、一番大きな声だった。いったん棗は腰の動きを止める。


「どうだった?」


 絵衣理は涙目になりながら、はくはくと口を動かした。


「ゆっくり、ゆっくり」


「なんかね・・・すごく・・・気持ちよかった・・・。なんか、体がびくびくなるよぅ」


「それはね、絵衣理が“いった”からだよ」


「いった?」


「そう。気持ちよかった」


 絵衣理はこくんと頷いた。


「ん、俺も限界」


 棗が腰を動かし始めた。


「やあっちょっと」


 絵衣理が慌てる。


「まだ、びん・・・かん・・・やあっ」

 絵衣理はまた声を上げた。

見てきましたー。

去年、別の場所で見たんですがそれよりはこぶりでプリティー。

なんかアーチ型をくぐってきれいでしたー。

鰻の名産地だったのでせいろ蒸しとかありました。高かったから買わなかったけど。豚バラ食べました。

image

なんか藤色じゃなくて白いのもありました。日光のせいかな?

満足

 ようやく、アップし終わりました。

「姫は自分で身を守る」

 ナツ君もてもてのお話。絵衣理ちゃん、弱くなかったのね、のお話。

 基本、女の子強い話好きです。だからかな?私の小説には強い(体力的にではない)女の子ばかり出てくる。

 なんか、今書いてる小説・・・えろいです。これはさすがにアップは・・・と戸惑ってます。何故こうなった、自分、と思うのですが、エロシーンをいっぱい書いてる。

 おかしいなあ。今まで書いたことすらなかったのに・・・。

 なぜか、書いてます。

 参考に失楽園読んで、参考にならんなあ・・・と思って、団鬼六読んで、精神やられて、余計ためにならんっっと思った・・・。

 ピンク映画、見てみたいんですよねー。

 なんか今のAVとは違う脚本がある(らしい)

 今のAV女優さんはどんなえぐいシーンはできても、演戯はあんまり・・・昔のピンク映画女優さんはできうるならば、本物の女優さんにっってのが違うらしい(by『美少年』)

 ピンク映画はAVコーナーとは違うところにあるらしいですね。

 AVコーナー行きたいんですが、「あそこは紳士の場所」だから、入るなって旦那に言われた・・・。なんか、皆が紳士になる場所らしい。世界がみんなAVコーナーなら、戦争は起こらないってくらい。

 AV見たことはあるんすけどねー、演戯へただし。それが許せん。

 レズもの、スカトロみたことあるんすが、内容より、演戯の下手さが目に入ってそれどころではなかった。だって裸とか自分と一緒だし・・・・。

 やろーのきたないの見たくないし・・・。

 ああ、何話してんだ私。
 
 でも、エロス大切ですよっ。

(ナツ君とデートっナツ君とデートっ)

 
 るんるんとしながら、絵衣理は歩いていた。


 先週に続いて、今週も棗とデートだ。るんるんと歩きながら、廊下を進んでいた。


「夏掛先輩」


 自分の教室に向かう途中、声を掛けられた。知らない、声。


 振り返ると、女子が数人、立っていた。リボンの色から1年だとわかる。


「あ・・・えと」


「話しが、あるんですが」


 

 

 5限目。


「・・・ううむ」


 綾女はうなっていた。親友の絵衣理が昼休みから帰ってこない。


(高瀬君かなぁ。しかし校内でさっすがに無茶すとは・・・)


 綾女は外に目をやった。は、と目をやる。がた、と立ち上がった。


「どうした? 北条」


 教師が言う。


「すいません。先生トイレに行きたくて」


 綾女は焦っていった。


 

 

(ええと・・・)


 絵衣理は焦っていた。茂みに覆われた、誰にも見えない一画。そこに絵衣理はいた。


(・・・これって。1年かな)


 絵衣理は思いながら、壁に背をつける。周りは
1年の女子ばかり8人ほど。


「ええと・・・何かな?」


 絵衣理はあくまで、笑顔で言う。・


 筆頭となった女子がにらみつける。


「調子にのってんじゃねーよっ」


 だん、と絵衣理のすぐ横に足をけりつける。


(え・・・)


 絵衣理は驚く。こんなの、おふざけだと思っていたのに、中学だけの世界だと思っていたのに。


「こちとらなあ、あんたが思うより前から好きだったんだよっ」


 女生徒が絵衣理の髪をひっつかむ。


「いた・・・」


 絵衣理は抵抗できず、なすがままにされている。


「たかが、胸がでかいだけで、高瀬君を誘いやがってっ」


 ドクン、


 胸が、なる。


 それは中学時代言われていたこと。


『胸で誘いやがって』


『それだけが能だろう?!』


  
散々、言われた。


 でも、でも今は違う。棗の笑顔が頭に浮かぶ。


 がし、と両方から腕をつかまれた。


「あんたのその長い髪、うざいんだよね」


 ふと見ると、はさみが見える。絵衣理はその時点で朦朧としていた。


 あ・・・髪が・・ナツ君の気にいってる髪が・・・・


 朦朧としながら、そう思った。


「あんたたちっ何してんの?」


 綾女の叫び声が遠くに聞こえた。


 絵衣理は生まれて初めて、失神した。


 

 

 

『絵衣理・・・』 


 棗が抱きしめる。


(あ・・・ナツ君、だめだよ・・・・)


 絵衣理が棗に抱きしめ返しながら、とぎれとぎれにそういう。


「お母様、きちゃう・・・」


「どこに?」


 棗の問掛けに絵衣理は目が覚めた。がばっと起き上がる。


「ナツ君?!」


 保健室のベッドの端には棗が腰かけていた。大層不機嫌な表情で。


「無事?」


「うん」


 絵衣理はぺたぺたと自分の顔を触る。


「えっと・・・ナツ君・・・」


「副生徒会長から全部聞いた」


「へ?」


「ネットのことも、さっき女子集団に暴行されてたことも」


 すっと髪をなでる。そして痛々しそうな顔をした。


「あ・・・」


 絵衣理は驚く。一房、髪が短くなってた。


 棗が、ぎゅっと絵衣理を抱きしめた。


「ナツ君?」


「心配、させてごめん。俺のせいだね」


 棗が悲痛そうに言った。


「そんなことないよ、ナツ君」


 絵衣理が慌てて言う。


「ナツ君のせいじゃないって」


「でも・・・」


「はい、いつまでいちゃついてんのかなあー」


 がしゃっとカーテンが開いて、綾女が登場した。


「絵衣理、大丈夫?」


「特に外傷は・・・」


「そう。どうする?」


「なにが?」


「絵衣理次第だよ? 今、裁判にかけられてる、あの子ら」


 絵衣理はぴくんとなった。


「行く」


「絵衣理?」


 棗は驚いたような表情で言った。


「行くから」


 絵衣理は決心堅く、言った。


 

 

「さあて。どうしましょうね」


 綾女から連絡があって
10数分後、絵衣理に危害を加えたメンバーらは生徒会室の一画に立たされていた。


 皆、初めての生徒会室に若干怯えている。


「失礼しまあすっ」


 絵衣理が入ってきた。続いて、綾女、棗が入ってくる。


「北条院生徒会長」


 絵衣理が言った。


「この件は、私が当事者です。この件、私に任せてもらえませんか?」


「いいですけど、どうやって?」


「こうです」


 絵衣理はずんずんと1年グループの筆頭に行った。


「・・・さっきはよくもいってくれたわね」


 絵衣理は怯えている少女の頬を掴むとずん、と頭部を突き出した。結果、絵衣理が頭突きをしたという形になる。女子生徒はのけぞって、後ろに倒れた。


「さあ、次っ」


 絵衣理は言う。そして、次々と頭突きをかました・・・。


「・・・これで・・・どうだっ」


 絵衣理はくらくらしながら、1年8人女子生徒を頭突きで倒した。中にはあまりにもショックで泣きだす者もいた。


「以上です。これっでいいですか?」


 絵衣理はふらふらしながら言った。


「まあ…当事者がそれでいいというなら」


 聖は笑いを抑えながら、言った。


「夏掛さんに関する裏サイトの情報を消すこと。今日中に削除されたことが確認されなかったなら・・・退学にします」


 聖は冷徹に告げた。


「は・・・はい」


 1年少女たちは絵衣理の雰囲気にのまれ、聖の雰囲気にのまれ、頷くを得なかった。


「私、あんたたちの顔覚えてるから」


 絵衣理は言い放った。


「名前は、あとでも生徒会からでも聞けるし。こんどなんかあったら、ゆるさないから」


「・・・はい」


 1年少女たちはしおれたように言った。


「・・・、もう、帰っていいですか?」


「ああ。解決したらな」


 絵衣理は棗を連れて、生徒会室を出ていった。


 

 

「絵衣理っ」


 棗が絵衣理を止める。絵衣理はぴたりと止まる。


「・・・絵衣理、つらかったろ?」


 棗が後ろから抱きしめる。絵衣理はう~となる。ちょっと泣きそうになる。


「知られたくなかったのにな」


 棗は、強く絵衣理を抱きしめた。


「ごめんな。俺のせいだ」


「別にナツ君のせいじゃないし・・・」


 ちょうど、1年生の下駄箱のところ、そこでさっきいがみあっていた1年女子とであった。棗が抱き
付いたまま。


「ああ・・・これは」 


 絵衣理が必死に言い訳する。


「こういうわけだ」


 棗が言った。


「俺、この人が好きだから」


 棗が真剣な声で言った。


「ん・・・知ってる」


 その中の、おとなしそうな女子生徒の一人がそう言った。


「知ってた・・・。うん、知ってた」


 泣きそうな声で、そう言った。


 

 

 それからの土曜日。


「今日は何色かな~」


「ナツ君っ」


 絵衣理は必死で抵抗しながら、服を抑えていた。

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