ザコペンギンのblog

あなたのすぐそばにザコペンギンはいます(鳥類ではありません) そんなザコペンギンの日常を描きます。よければ暇つぶしにでも。そして発見情報をお待ちしております。 あと、私は精神病患者です。小説と同じくらいまたはそれ以上に病状、薬のことなど忘備録の意味を込めて書いています。双極性Ⅱ型(いわゆる躁鬱病)ですので、鬱の時の日記はお目汚しです。「精神」と書いてあるブログは閲覧注意です。

カテゴリ: ザコペンギンについて

 ザコペンギン達がゆみちゃんちでテレビを見ていました。

 ゆみちゃんはどこか上機嫌でご飯を作っています。

「ザコー、今日ごはん食べてく?」

「いいの?」

「いいよ」

 しばらくすると、りょうへいさんが帰ってきました。手には何か持ってます。りょうへいさんもどことなく機嫌がいいです。

「ねーねー、ゆみちゃん」

 弟が料理をしているゆみちゃんの裾をつんつんと引っ張ります。

「今日なにかいいことあったの?なにか嬉しそうだよ」

 ゆみちゃんはにっこり笑いました。

「今日は結婚記念日なの」

「けっこんきねんび?」

 弟はきょとんとします。

「なにそれ」

「私とりょうへいが結婚した日」

「へえっいい日だねっ」

 弟もにこにこして、両親達に報告に行きます。

「おとうしゃん、おかあしゃん、おにいしゃん、きょうはね、ゆみちゃんとりょうへいさんのけっけっけ」

「結婚記念日」

 りょうへいさんが訂正します。

「そう、それなの。けっこんしたひなんだって」

「すごいねー」

「すごいねー」

 他のザコペンギン達もきゃっきゃと喜びます。

「おめでとうございますっ」

「ますっ」

 ザコペンギン達はぺこりとお辞儀をしました。

「そういえば」

 りょうへいさんはふと気づきます。

「父と母の結婚記念日ってあるのか?」

 父と母が顔を見合わせます。

「あ、カレンダーとかないか」

「んとねー、雪が降ってない時ねー」

「春か夏か」

「お魚持って行って、一緒にいてくださいって言ったの」

 父が言います。母は少し照れくさそうにしています。

「なんで母は父を選んだの?」

「・・・顔が好きだったの」

「・・・・・・・・・・」

 ゆみちゃんとりょうへいさんは顔を見合わせました。ゆみちゃんとりょうへいさんのザコペンギン達の個体識別は大きさと声の調子です。ほかは全部同じに見えます。

「・・・まあ、西洋人からしてみりゃ、中国人と韓国人と日本人は区別つかないっていうし」

「うーん、一緒、なのかな」

「ぼくもいつかけっこんするのかなあ」

 弟が夢見るような目で言います。

「いい人見つかるといいね。それよりザコ悪の方が先だけどね」

「そうっすよ。俺だって見つけますよ。いい人をっ」

 ザコ悪は意気込みます。

「ほら、ごはんにするよ」

 ゆみちゃんはコーンポタージュスナックを出してきました。

「いただきまあすっ」

 ザコペンギン達がかっかと食べ始めました。

「・・・あー」
 
 りょうへいさんが遠くを見ながら言います。

「なに?」

「俺んとこも、あそこんちみたいにずっと仲良くな」

 ゆみちゃんはちょっと顔を赤くして、うん、と頷きました。

 ゆみちゃんが一人でかりんを散歩させていると、ザコペンギン達がくるくる回ってました。

「相変わらず回ってるねー」

「あーゆみちゃんだぁ」

「ゆみちゃんだぁ」

 ザコペンギン達が群がってきます。

 ゆみちゃんはしばらく考えました。

「新しい遊びしちゃる」

「なになに~?」

 ゆみちゃんはザコ悪の頭をぐわしとつかみました。

「そぉれっと」

 思いっきり投げます。

 ザコ悪はひゅーと飛んでいき、そのまま芝生にべちゃ、と落ちました。

「おっかしいなあ。着地するかと思ったのに」

「ゆみちゃん、ゆみちゃん」

 弟がゆみちゃんの服の裾を掴みます。

「ぼくもぽぉんやって」

「いいよー」

 そおれっとゆみちゃんが思いっきり投げます。弟の方が軽いので遠くに飛んでいきます。

 弟はくるんと一回転すると、見事に着地しました。

「おおっきうまいっ」

「ヘッドっ。ヘッドっ」

 転倒から起き上がって戻ってきたザコ悪が必死に言います。

「もう一度、もう一度」

 弟に見事に着地されて、兄の威厳がありません。復活させねば、と躍起です。

「いっくよー」

 またゆみちゃんは思いっきり投げました。しかしまたべちゃ、と落ちました。

「ザコ悪はへただなあ」

「ゆみちゃん、もう一回、もう一回」

 弟が寄ってきます。

「いいよー」

 ザコペンギン達の遠投が続きます。



「・・・お前ら」

 散歩から帰ってこないゆみちゃんを心配したりょうへいさんが、公園に行ってみると、きゃっきゃと遠投してました。

「新しい遊びか」

「うん、これたのしー」

「なかなか、難しいです」

 ザコ悪を見るとこけすぎて葉っぱがいっぱいついています。

「ほら、暗くなるしそろそろやめとけ」

「はいー」

「はいー」

 りょうへいさんとゆみちゃんは帰っていきました。

「いやー楽しかった」

「明日、どうなっても知らないぞ」


 次の日

 りょうへいさんとゆみちゃんがかりんを散歩させてました。

「あ、ゆみちゃん」

 弟がすぐに寄ってきます。

「ゆみちゃん、昨日のあれして、ぽーんして」

 ゆみちゃんの顔がひきつります。

「今日は・・・ちょっと・・・」

 投げすぎてゆみちゃんは筋肉痛になっていました。

 ザコペンギンが南極にいた頃、なかったものが日本にはありました。

 そう、梅雨です。

 毎日毎日、しとしとしとしと・・・。

 でも寒さにも水にも強いザコペンギン達は気にしません。

 雨の中でもくるくるくるくる。

 べちゃ

 父がこけました

 べちゃ

 ザコ悪がこけました

 ぺた

 弟がこけました

 真っ白なおなかが茶色になってしまいました

「あーあ・・・」

「ゆみちゃんのところに行こうっ」

 3匹はぺったらぺったらゆみちゃんちに行きました。

「ゆみちゃあん、ゆみちゃあん」

「・・・ずぶぬれ。雨の中くるくるしてたんでしょ。で、こけたな」

「すごぉい。よくわかったね」

「ああ。もうびしょびしょだから玄関いなさい。亮、風呂沸かして」

「なんでまた」

 りょうへいさんが出てきました。ザコペンギン達の様子を見て納得します。

「・・・沸かすからちょっと待ってろ」

「もう、雨の中くるくるしたら風邪ひくでしょ」

「風邪?なにそれ」

「父が冬にひいたでしょ。くしゅんくしゅんなるやつ」

「ああ・・・あれはつらい」

「南極いたから、寒さと水には強いかもしれないけどさあ・・・」

 お風呂が沸きました。りょうへいさんがかたっぱしから洗っていきます。

 お風呂上り、みんなぽかぽかです。

「もう、雨の中くるくるするの禁止。こける度に風呂入らないといけないからだめ」

 ゆみちゃんは言います。

「はあい・・・」

 返事はしましたが、ザコペンギン達はお風呂が好きなので、それはそれでいいなあ、と思いました。

 ゆみちゃんもりょうへいさんもうそつきです。

 ゆみちゃんはよくザコ達に意地悪をします。

「ザコ、これおいしいよー」

 といって唐辛子を生で食べさせたり。ビミョーな顔をするとけらけら笑います。

 だから物忘れの激しいザコ達も最近は警戒するようになってきました。

「ざこー、これおいしいよ」

 なんの気なしにポテチを差し出しました。

 ザコ達はもじもじしています。

「何?くわんの?」

「だって・・・ゆみちゃん、すぐ嘘つくもん」

「嘘つかない時もあるじゃん」

「これおいしいよ、俺が言うんだから間違いない」
 
 りょうへいさんが優しく言います。

「なら食べるー」

「何それっ」
 
 ゆみちゃんは憤慨します。

「だってりょうへいさんはうそつかないもーん」

「ねー」

 ゆみちゃんはりょうへいさんを横目でじろりと見ます。

「あんた、こいつらについた嘘、バラしてないの?」

「信じてた方がいい時もある」

 ザコ達はおいしくポテチを食べました。

 うんしょうんしょ

 ザコペンギン父、ザコ悪、弟は草そりをするために一生懸命段ボールを小高い丘に運んでました。

 よいしょよいしょ

 こけ

 父は転んでそのまま腹ですい~とすべっていきました。

「お、親父楽しそう」

 ザコ悪も真似します。

 すい~

「楽しそう」

 弟もすい~

「これ楽しいこれ楽しいっ」

 ザコ達は腹滑りを楽しんでいました。

「何?新しい遊び?」

 かりんを散歩させてたゆみちゃんが通りました。

「うん、ゆみちゃんもやる?」

「遠慮しとく。あーあ・・・」

 3匹の様子を見て、ゆみちゃんはため息をつきます。おなかは真っ黒けです。

「うちにきな、風呂入るよ」

「おふろー」

「おふろー」

 ザコペンギン達はお風呂が大好きです。

「りょーう、風呂沸かしてー」

「なんでこんな中途半端な時間に・・・」

 りょうへいさんが玄関に出てきて、3匹の様子を見て、だいたいを理解します。


「・・・はいはい」

 それからしばらくたち、お風呂がわきました。

「ほらー。父から洗ってくぞー」

 りょうへいさんは遠慮なくこすりました。

「いたっいたっいった」

 父が暴れます。

「暴れんなよ。濡れるだろう。ほら次」

 ザコ悪を洗います。

「ザコ悪は強いもんなあー。平気だもんなあ」

「あ・・・当たり前っすよ」

 ザコ悪は踏ん張りました。だいぶしみましたが、耐えました。

「次」
 
 逃げようとした弟をがしっとつかみ、問答無用で洗いました。

「いたいいいたいいいたいいたいっ」

「あーばーれーんーなっ」

 湯舟に放り込んでりょうへいさんがでてきました。

「ゆみ、マキロンかなんか傷薬出しといて。あいつら擦り傷だらけ」

「どこまでバカなんだか・・・」

「りょーへーさーん、あがったよ」

 3匹が声を揃えて言います。

 体を拭いてあげると、居間に行きました。


「ほら、父、来い」

「なになに?」

 何もいわず、がし、と父をつかみ、おなかにマキロンをぬりたくりました。

「うぎゃあああああああっ」

 父は絶叫します。

「バカな遊びしたあんたらが悪い。次、ザコ悪。ザコ悪は平気よねえ。強いもんねえ」

「は・・・はい、平気っすよ、こんなもん」

 ザコ悪はプルプルしながら仁王立ちしました。

 ゆみちゃんはわざとたっぷりゆっくり塗りました。

 ザコ悪はうっうっっといううめき声に耐えてます。

「さて、最後は」

 ゆみちゃんはきょろきょろしました。弟の姿がありません。

「あれ、どこいった」

「そこ」

 りょうへいさんが指さします。かりんの蔭に隠れてました。

「あんた・・・体同じくらいなんだから意味ないって」

「お願いします、お願いします。ごしょーです」

「なんで後生って言葉知ってんの」

 ゆみちゃんは弟をひっつかまえ、足で抑え込んでおなかにぬりたくりました。

「うぎゃっうぎゃっうぎゃっ。ゆみちゃんの鬼ーひどいー」

「あんたら外で暮らしてんだから、破傷風とか菌が入ったりしたら大変でしょ。ったく、母に心配されるわよ」

 みなしょぼんとしています。

「おなかですい~のあそびは禁止。また痛い目見るわよ」

「はあい」

 ザコ達はとぼとぼと帰っていきました。

 
 そして1週間後。ゆみちゃんとりょうへいさんはかりんを散歩させていました。

「きゃきゃきゃきゃ」

「あ・・・」
 
 ザコ達はまたおなかすい~をやってました。

「・・・こんど腹に唐辛子塗ってやろうか」7

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